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牝獣の哭く夜
第23章 絶頂地獄
 会議室の床に仰臥して、美貴は周りの男たちを見上げる。
 全裸だった。

 カーペットのため痛くはないが、心中は絶望に満ちていた。

 最初に名乗りを上げたのは片桐だった。

「やっぱり、社外の人間を優遇しなくちゃサラリーマンは勤まらんよ」

 などとうそぶきながら床に座り、貧相な裸体で美貴を抱きかかえる。
 後ろ向きに膝に乗せ上げられた。嫌悪の苦鳴が漏れた。

「つれないですな。
 この片桐とは一夜を共にした仲じゃないかね、沢村君。いや、美貴くん。
 忘れたとは言わせないよ」

 度の強い黒縁眼鏡の奥の眼を炯《ひか》らせていやらしく笑う。
 山崎があきれたように、

「片桐専務と課長、そんな仲だったんですか?
 知らなかったなあ。ていうか、課長って、ヤリマン?」

(ああ、山崎くんや八木原くんまでが)

 信頼していた部下がこの場にいることに打ちのめされる。
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