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牝獣の哭く夜
第25章 牝獣の哭く夜
「ほら、あの男がおまえのいやらしい姿を見てるぞ」

 諏訪の剛胆な一物に貫かれつつ、美貴は快楽に霞む眼を沼田にやった。

 妖しい光を宿した沼田の双眸。

 毒矢のようにまっすぐな視線が、美貴の胸を射抜いた。
 ズキュンと胸の真ん中を衝かれた。

 諏訪から与えられる性の悦楽以外、なにも感じなくなっていた心の暗闇を、一条の稲妻のように、沼田の眼差しが切り裂いた。

 おぞましさと真摯さに、美貴は戦慄した。
 すさまじい視線の閃光に、意識が肉体から弾き出される。

 次の瞬間、美貴は宙に浮いて会議室を見下ろしていた。
 肉体は性感にまみれているのに、意識は澄んで、天井ちかくで部屋の有様を観察できた。

 諏訪に抱えられ、ゆさゆさと揺れる女の裸身があった。
 肉を波打たせて痙攣する姿が淫靡だった。

 諏訪は眼を剥き、汗だくになって美貴を犯し続けている。

 それを見物する三人の男たち。好奇の目とうすら笑いが賤しい。
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