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滲む墨痕
第4章 一日千秋

 あの夜以来、潤の中で急速になにかが進みはじめた。後退、ともいえるかもしれないがどちらでも同じことだ。身体を残して意識だけがどこか遠くへ離れてゆく感覚に前も後ろもない。

 危うい心の変化は、誠二郎に対する漠然とした嫌悪という形で表れた。求められても素直に応じることができなくなり、以前のように無防備に身体をひらけなくなった。
 ある日には、キスや胸への愛撫が苦痛で仕方がなく、なにをされてもまったく潤わないどころか遺伝子レベルで拒絶しているかのように全身がこわばった。挿入すらままならないほどの痛みに襲われ、中断するほかなかった。
 並んだ布団の中には哀しみとも怒りともとれる空気が漂い、たった数日で“険悪な”と形容できる状態まで進行した。たとえばそれが数週間続くと疑念が深まり、数ヶ月経つと憎しみに変わり、数年で空虚になるのだろうか。

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