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官能書道/筆づかい
第3章 穂先
「はは、こりゃ手厳しい」
鹿島は今、女体に字を書いたり、前衛舞踊と揮毫《きごう》を一緒にしたパフォーマンスを行っている。
鹿島が松川雅泉の元を去ったのは、それが原因だった。
目新しさだけの、品のない行為だと言われ、書を穢すものと罵倒された。
しかし、鹿島にはこれが自分の道だとの思いがある。
「書は自己表現であってはならない。
雅泉先生の口癖ですよね。
しかし、こりゃむずかしい。
己を出さずに個性を出すなんて、まるで禅問答みたいなものだ。
素直に自己表現の手段と捉えたほうが、よっぽどいい書が書けますね」
鹿島は今、女体に字を書いたり、前衛舞踊と揮毫《きごう》を一緒にしたパフォーマンスを行っている。
鹿島が松川雅泉の元を去ったのは、それが原因だった。
目新しさだけの、品のない行為だと言われ、書を穢すものと罵倒された。
しかし、鹿島にはこれが自分の道だとの思いがある。
「書は自己表現であってはならない。
雅泉先生の口癖ですよね。
しかし、こりゃむずかしい。
己を出さずに個性を出すなんて、まるで禅問答みたいなものだ。
素直に自己表現の手段と捉えたほうが、よっぽどいい書が書けますね」