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官能書道/筆づかい
第4章 揮毫
身を乗り出して、ベッド脇の窓のカーテンを一気に引き開けた。
「ひいっ! いやああっ!」
暗い闇が広がる窓のガラスに、部屋の灯りが反射して、鏡のように二人の姿を映しだした。
涼子が悲鳴を上げて四肢をくねらせたのは、後ろから犯されるおのが姿の浅ましさを、目の当たりにしたためだけではない。
鹿島が書いた文字が、白い裸身に墨痕も黒々と、鮮やかに浮き上がっていたからだった。
真っ白い肌に描かれたのは、「悦」の一文字だった。
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