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逆転満塁ホームラン!
第7章 出会いの人員不足

「……はぁあああ?!何それ?!」
またまた冗談を!と総司の肩をたたく素振りをしていただろう、もし二人で居たならば。
でも今私達は一緒に居ないし、何より総司のトーンや怒り加減を聞く限り、どうもマジでそう思ってる気がしてならない。
「待って、それって誰が決めたの?あたしそんなこと一言も聞いてないし、何なら今日は広島の松本さんと"私もカープのスタッフになれたら毎日楽しいやろうな"って話てたところやで?」
「……はあ?」
「いやっ、はあ?って聞きたいのはアタシな!」
既に疲れて眠たいはずなのに、どうも眠る気になんてなれない。煙草に火をつけて、再度部屋の電気を明るくした。
そりゃそうか。
人事異動ってやつを私より先にコイツが知ってて、そして上司から聞くんじゃなくて総司から聞いたんだから。
「お前マジで何も知らないの?」
「うん、フツーに何も知らん。」
「……っはあ、まあ事情説明すると」
「うん。」
「俺が甲子園の人事に電話して、やっぱり心配だから親父も納得してるし住友にアイツを渡して欲しいって頼んだわけ。」
「まあ、そこは納得出来ないけど理解は出来るわ。ほんで?」
「じゃあ、立浪…まあ、人事の偉いさんが『本当に申し訳ないですが、それは出来ません。蒼井さんの身柄に関しましては先程ウィングス・ワールド・カンパニーに引き渡すという形で決まってしまいました』ってすげえ申し訳なさそうに言われたんだよ」
「で、どういうことか聞いたら『此方も分からないし手放したくはないですけどトレードと同じです。甲子園の設備修理の代金をWWCが受け持つ代わりに……という話しになり、こちらもオッケーを出してしまいました』って」
「へ?ちょっと待って。甲子園は私に何も聞かずにそれでオッケー出したわけ?」
「多分そうじゃん?でも俺はてっきりお前が頷いて東京行きをオッケーしたから……引き渡すって形になったんだと思ってたけど違うってこと?」
「ぜんっっぜん違うけど?!何ならそんな話し、全く知らなかったけど?!」

