この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ
「おお、ついに吉瀬ちゃんが東京に来たかー!!」
「……はい。」
「つれねえべ?何でそんな顔してんの?」
──いや、そりゃそんな顔とやらになるだろう。
昨日、総司の想像通り【東京行くよねー?】と言われた私が、少し考えたフリをして首を縦にふると【だと思った。チケット取ってるから明日からね?】とにっこり笑顔の近藤さんに言われたのだ。
急いでロッカーの私物をまとめて、務めて二ヶ月と少しで皆に挨拶をする羽目になった。
そして三時間の新幹線。
……誰でも疲れてしまうのは当たり前だと思う。
「誰かさんが面白可笑しくウィングスのマネージャーに私を選抜したから、そりゃあ疲れた顔になります」
「でもお前まだ何も仕事してないやんけ。」
「はあ?こっちは仕事してなくても甲子園を追い出される形で出たんよ?そりゃあ疲れるし悲しくもなるわ」
「たかが設備修理のお金と引き換えに……選手のFAみたいな……。」
「だけど吉瀬ちゃん。阪神は若手を育てない球団だべ?」
「仲居も、今はバッティングコーチしてる赤安もウィングスに来て成功したんだし。吉瀬ちゃんもそうじゃん?ウィングスは吉瀬ちゃんに期待して、吉瀬ちゃんを取ったんだよ。」