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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ

「おお、ついに吉瀬ちゃんが東京に来たかー!!」

「……はい。」

「つれねえべ?何でそんな顔してんの?」

──いや、そりゃそんな顔とやらになるだろう。


昨日、総司の想像通り【東京行くよねー?】と言われた私が、少し考えたフリをして首を縦にふると【だと思った。チケット取ってるから明日からね?】とにっこり笑顔の近藤さんに言われたのだ。


急いでロッカーの私物をまとめて、務めて二ヶ月と少しで皆に挨拶をする羽目になった。

そして三時間の新幹線。

……誰でも疲れてしまうのは当たり前だと思う。


「誰かさんが面白可笑しくウィングスのマネージャーに私を選抜したから、そりゃあ疲れた顔になります」

「でもお前まだ何も仕事してないやんけ。」

「はあ?こっちは仕事してなくても甲子園を追い出される形で出たんよ?そりゃあ疲れるし悲しくもなるわ」

「たかが設備修理のお金と引き換えに……選手のFAみたいな……。」


「だけど吉瀬ちゃん。阪神は若手を育てない球団だべ?」

「仲居も、今はバッティングコーチしてる赤安もウィングスに来て成功したんだし。吉瀬ちゃんもそうじゃん?ウィングスは吉瀬ちゃんに期待して、吉瀬ちゃんを取ったんだよ。」


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