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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ

チラッと覗いたスマホに、タイミング良くラインの知らせが入った。

【東京には無事着いた?昨日、次の甲子園での試合の時はご飯に誘おうと思って電話したら、その話しを聞いたもんだから驚いて野茂にもすぐ報告したよ(笑)】

という自分の仕業で、あたしが島流しになったとは気付いてなさそうな能天気な内容だ。

はあっとちいさくため息をつきながら、素早く返信をした。

【今着いて柳君と天草に拾ってもらいました!】

【ていうか、こういう状況になったんは松本さんの悪ふざけが過ぎたからですよ。】


送ってすぐに既読がつく。

月曜日だから試合は無いし、多分この人……今、暇なのかな。

【ごめんごめん。まさかここまでなるとは誰も思ってないけん。どうしたら許してくれる?】

「なあに難しい顔してんべ?」

「別に何もない。」

バックミラー越しに目が合う柳君に冷たく返事をしてから、簡単な文章を打って送信して……スマホのバッテリーを落とした。

【今度、ビール飲みましょ。酒癖悪いんですけど宜しくです。奢ってくれたらチャラにします。】


「お前さ、オレに言う事あるんちゃうんけ?」

まるで私と松本さんのやり取りを見計らってたかの様なタイミングで、そう声をかけてきた天草。

表情は分からないけど……多分、そこまで機嫌も悪くはない、と思う。

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