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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ

──迷いに迷った結果、今この状況で電話を掛ける相手に選んだのは総司ではなくて松本さんだった。

「、もしもし?!」

私からの着信に余程、驚いたのだろう。三コールもしない内に電話に出てくれた彼の声は、前話した時よりも少しだけ高いように思えた。

「っ……元気です、か?」

「へ?──元気だけど。吉瀬ちゃん?どうしたの?」

そりゃあ泣いてるの何て普通にバレるだろうな。鼻をグズグズ言ってるし、声だって可笑しい。

慢性鼻炎やねん!と関西らしい言い訳すら言う気になれなかった。


「さっき、また松本さんのせいで怒られました」

「……誰に?てか何を怒られたの?」


「松本さんとラインをしてるって言ったら、天草が怒り出して車を降りたんです。で、それを見たチワワに何でそんな事言うんだって怒られました」

「……」

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