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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ
どうやら、会長代行は既に帰った様だった。
気の抜けたスタッフ達が続々と帰り出している廊下を、逆方向でズンズン進んでいく私。
チワワ先輩が【話しはウィングスのロッカールームでするから】って言ってたのを覚えてて良かった。
警備員さん達も、私の名前を知ってたからすんなりと入れてくれたし、もしかしたら本当に此処で働く運命に仕組まれてたのかもしれない。
「……お邪魔します。」
ロッカー前の灰皿に沢山の煙草が有るのを見て、少しだけため息。
こいつら本当に野球選手なのかな?結果さえ残してたら良いのかもしれないけれど、いつかガタは来るものだ。
「はい?」
内海さんらしき声が聞こえて、ドアを開けた。
「……吉瀬ちゃん?」
目を点にして私を見つめるウィングスの選手達と、まだ部屋に居る他のスタッフさん達。
「──ちょっ、痛い痛い!柳君!」
「蒼井里奈!!!来てくれたべ?!」
力強く抱きしめられると、背の低い私は丁度柳君の肩の少し下位に顔がぶつかる。
大きい胸板のせいでマトモに息すら出来ない。
「何でフルネームなん?」