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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ
「深い意味なんか無えじゃん。……ぁああ、良かったあー!このまま吉瀬ちゃんが来なかったら俺どうしようか、ってすげえ悩んでたんだべ?」
「あの後、チワワにも天草にも死ぬ程怒ったし。もう怖がらなくて良いから、な?」
と頭に大きな手のひらを置かれると、嫌でも安心感がふつふつと胸を占める。
「それって……」
「会長代行にチクったら、天草なんか呆れられてたよ。」
「吉瀬ちゃん、これからも俺たちウィングスのスタッフとして働いてくれる?」
「………。」
働けるんだ、そう思った。
正直、こんな飛ばし方をしたんだからクビになるか・働けるか、そこは五分五分だと思ってたけど……。
本当に申し訳無さそうに、謙虚にそう聞いてくる柳君が何故か可愛く思えて仕方ない。
「ははっ、こちらこそ……宜しくお願いしま「やっぱりオレが見込んだ吉瀬ちゃんだ!!!」
言い終わるより先に柳君から私を奪うと、よしよしーと声に出して又々、頭を撫でてくるのは内海さん。
優しそうな顔が更に優しそうになっていた。
「本当ゴメンな?天草とチワワが訳分かんない事して、吉瀬ちゃん困らせちゃって」
「いやいや、東京やからっていきなり泣き出した私も大分痛いですし、そこは何も思ってないです。」
「おい、天草!」
と内海さんが呼ぶと、ベンチに座って黙って私達を見ていた彼が立ち上がる。別に嫌味を言いそうな雰囲気も無さそうだ。
「謝れよ。」