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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ
「……ゴメン。」
「別に良いよー、松本さんに相談乗ってもらったし。」
だけど、私の頭の中には彼に意地悪をする事でいっぱいだ。
想像通り、松本っていう単語を出した時点で顔をしかめる彼。
柳君と逢沢君、芹沢君は、笑いを堪えている。ふん、今の私は松本さんから詳細を聞いて無敵なんだからね。
「天草、前で煙草吸およ」
「え?」
「吸うやろ?」
「まあ。」
「おー仲直りだな、良い事だべ。おうおう、行ってこい天草。」
ニヤニヤして仕方ない柳君が天草の背中を押すと、私服の彼はジーンズのポケットからセブンスターを出した。
「あんまり要らねえ事言うんじゃねえべ?」
「分かっとるわ。」
相当怒られたんだろう、なんかいつもの天草と違い……それこそ本物のチワワみたいだ。犬夜叉で言うならば耳がショボン、と下がってる状態かな。
皆に見守られる様にしてロッカーを出た私達は灰皿を挟む形で立った。
私の視線の先には天草が居て、天草の視線の先には廊下の天井がある。
「なあ。」
「ん。」
「松本さんから聞いたけどさ」
「あんた私の事好きなんやろ?」
周りに誰も居ない、し私の性格も人に気を使えるほど優しくない。
単刀直入にそう聞くと、流石に私の性格をある程度知っている彼も驚いたのかギョロっとした目を更に大きくさせて、やっと私の方を見た。
「……はあ?」
「はあ?って何よ、はあ?って。」
「松本さんが言うてた。アンタが車を降りたのは独占欲とか嫉妬とかそういうのやって。」
「──ッ、」
「アイツはいつも女の方から告白させる様に仕向けてきたけど、私が余りに鈍感で素直じゃないから今まで通りの恋愛が出来なくて余計イライラしてるんじゃないんか、とも。」
「だけどさ」
「あたし、あんたの事好きちゃうで」