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逆転満塁ホームラン!
第8章 グッバイオオサカ

「ちょっ、いきなり開けちゃダメだべ!」

「なっ……あんたら…」

「別に聞いてないから。な、柳!」

「そうっすね、内海さん!なあお前ら逢沢達も聞いてねえべ?」

「聞いてないっす!!!」

分かりやすいウソに呆れながら後ろを振り向くと、ポーカーフェイスのままの天草が何やらスマホを耳に当てていた。

「……天草?お前誰に電話してるんだよ」

「……。」


「おい!今日、夜から吉瀬ちゃんの歓迎パーティー開くって話しだったべ?お前も男らしくねえな、振られたからって来ないつもりかよ?」

「やっぱり聞いてたんやん!」


「あっ……!聞いてないって!!雰囲気だよ、場の雰囲気で言っただけ!!」


「もしもし、愛奈?」

突然話し出した天草が呼んだのは私の知らない名前。

「ん。お前どうせ家居るんやろ?」

「今から行くわ。昼飯つくって待ってて。夜には帰るから、宜しく。」


「……。」

うわー、何コイツ。餓鬼かよ。

と目が合った内海さんと心の会話をしてみた。きっと彼の呆れ顔を見る限り同じ事を思ってるに違いない。

「愛奈って、麻布に住んでる愛奈?」

「そう。アイツん所行ってくるわー、あと柳、オレ一言もこいつの歓迎パーティー行かないとか言ってないからな」

どうやら、男らしくない。という部分は訂正したいらしい。

わざとらしい様でわざとらしくない、ワケの分からない彼は素早くロッカールームに入ると私物であろうモスキーノのバッグを持って、部屋を出ていった。

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