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逆転満塁ホームラン!
第9章 何気ない優しさ



店内に戻ると、仲良く二人でコソコソ話しをしている柳君と内海さんに気持ち悪い位の笑顔で手を振られた。

とりあえず手を振り返すけど──。

あの二人、何で肩並べてあんなに楽しそうに話してるんだろう。

女好きの柳君が間に綺麗なモデルさんを挟まずに内海さんとイチャイチャしてるなんて珍しい。

だけども、全員が楽しそうなこの空間を見ると私も自然に笑顔になって、先程までの下がった気分が元通りになる。


誰も口を付けていなさそうなウーロン茶を飲んで机に目を向けると、スマホが光っているのが見えた。

画面にはラインの通知。


【東京着いたなら連絡くらいしてこいや。どんだけ心配させたら気済むんだよ】

という総司からのメッセージが見えている。


煙草をポケットに閉まってから、急いで返事を打っていると先程まで藤堂君とナノハちゃんと仲良く話していたハズの由佳ちゃんが又も私の隣へ来た。


「あ、ゆかちゃん。さっきはホンマにごめんね。服にはかかってないよね?」

「うん、大丈夫だよ!それよりさ里奈ちゃん。」


「ん?どうしたの?」


「単刀直入に聞いていい?」

単刀直入……?一体何を聞くんだろう?


「いいけど……何?」




「さっきね、スマホが光った時に見えちゃったの。住友総司って、あの住友東京銀行に勤める総司君の事だよね?」


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