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逆転満塁ホームラン!
第9章 何気ない優しさ
「……ごめん。」
何で私が謝らないといけないのか理解不能だったけど、皆の視線が集まるこの場所ではとりあえず、彼の機嫌を収めるしかない。
ウィングスのロッカールームでの話しなら、言い返していたけれどここは別。
お店の人も居ればユカちゃん達だって居るし……。
はあ、と大きなため息をついた彼は私のバッグを持つと誰にも挨拶をする事なく入口へと歩いて行った。
勿論、リリーの時と同じくして彼の後を追うように私も小走りで入口へ向かう。
「っ、じゃあみんなお休み!明日からお願いします!」
「ほーい!ま、頑張れよー!」
と意味深な柳君の声援を背中で聞き流しながら、お店の人が手配してくれたのであろう数台ある内の1番前のタクシーに天草と一緒に乗り込んだ。