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逆転満塁ホームラン!
第10章 九月のゲーム差
「なあ、天草。お前知ってた?吉瀬ちゃん、2ちゃんにスレッド立ってるし、ファンの子達にも吉瀬ちゃん呼びされて人気なんだべ?」
「知ってる、野球版のやつやろ。」
「え、天草も知ってたん?」
「ん。」
こいつツイッターもインスタも何もしてないのにな…。もしかしたら2ちゃんだけは見るタイプの人間なのか?
「でも不思議よな、コイツは可愛くないしスタイルも悪いのに何でそんなに人気なんかワケ分からんわ」
「……はあ?!」
「ホンマのことやんけ。そりゃお前がモデルみたいな子やったら分かるけど、普通のチンチクリンのオッサンやのにわざわざ吉瀬ちゃんって呼ばれてる意味も分からん。」
「コイツ……!天草あ!しばく!!」
と言いながら、先に出たのは足だった。
見事に鍛え上げられた俗に言う"プリケツ"に私の足がクリーンヒット。
それが彼のプライド的に許せなかったのか、くるりと一回転した天草は見たことのない不気味な笑顔で私を追いかけてきた。形勢逆転ってやつかもしれない。
「ちょっ、あんたそんな本気で来やんといてよ!!」
「お前が蹴ったからやろうが!」
「あんたが変なこと言うたからやろ?!第一、アンタも私のこと好きなくせに、よーそんなこと言うなあ?!」
そんなことを言いながら横浜の期待の若手ピッチャーである柿沢裕翔に抱きついて後ろに隠れた。
他のベテラン選手さん達は私の包み隠さないその言葉に大爆笑したり、『柿沢〜!天草にしばかれるぞ〜!』なんていう茶々を入れたりで結構自由な雰囲気。