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第10章 九月のゲーム差

選手たちの頑張りを示すように、タオルやシャツは汗でジメッと濡れている。だけど、そんなことは一切気にならなかった。

というか気にしていたら彼達のサポーターなんて云う仕事は出来やしない。

裏に有る洗濯機二つに洗濯物を分けて入れてから、洗剤をぶっかけると開始ボタンを押した。


ふと、何気なくスマホを見てみる。

そしてグーグル検索欄に【ウィングス　インスタグラム】と打ち込むと、ままたく間に沢山の情報量がヒットする。

その一番上に有る東京ウィングス公式と書かれたリンクをクリックした。


「……うわあ、すごい量。」

それと同時に画面を占めるのは、見慣れたあのインスタ独特のプロフィール画面とその下にある大量の写真。

一番最初の画像をクリックしてみた。


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写真１　天草が私を追いかける後ろ姿
写真２　私が柿沢君の後ろから天草に手を挙げる姿

#うちの吉瀬ちゃん #今日も絶好調で天草と喧嘩中
#こうみえて仕事は出来る #柿沢さんすみません

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このシャープマークがタグと呼ばれるのは知っている。

うちの吉瀬ちゃん、というタグをクリックすると今までチワワ先輩が載せたであろう私の写真が沢山出てくる。

適当にスクロールしていると、四日ほど前に撮られたっぽい私と柳君の後ろ姿の写真が有った。


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写真１ 二人の後ろ姿
写真２ 柳の頭を両手でグリグリしてる姿

#うちの吉瀬ちゃん #二人で仲良く荒野行動してたのに #突然柳が反則行為をしたらしく #また喧嘩に

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ちなみに、もれなく私達がゲームしているその先に、こっちを見ていたっぽい天草の不貞腐れた顔も映っている。


こんなにアップされてたんだ、と思うと何だか笑えてきた。そりゃあウィングスファンの人達の噂の対象にもなるだろう。