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第10章 九月のゲーム差

廊下を歩きながら、その流れで他の球団のインスタグラムもチェックしてみた。

読売ジャイアンツや広島カープといった、ほぼ全球団が選手たちの裏ショットや勝利インタビューの動画をアップしている。

……確かに楽しそうなバックショットも沢山あるけど、それでもウィングスのインスタのように、一スタッフである私が載っているのは有り得ないようだ。

ましてや『ウチの吉瀬ちゃん』というタグも浸透しかけてると云うのだからチワワ先輩の広報能力は侮れないな。

一般の人達の意見とやらは、ビビリな私は見れなかった。


スマホの画面が真っ暗になったのを確認してから、再び前へ歩き出すと、後ろから勢いよく腕を掴まれる。

「っ……！ああ、ゆかちゃん！」

「やっぱり里奈ちゃんだ、久しぶりだね！元気だった？」


女子アナらしいトマパンが手に持っているのは、入場許可証と原稿っぽい紙の資料。

それを見て直ぐに、今日は彼女のインタビューが予定に組み込まれてあるのを思い出した。確か試合後だったかな？