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逆転満塁ホームラン!
第10章 九月のゲーム差
「今日のインタビュー、宜しくね。勝敗は分からんけど、とりあえず天草と柳に関しては好きなタイプ系の質問もNGでお願いします。」
ちょっと笑いを含みながら言ってみた。
「ははっ、すっかり前よりマネージャーさんらしくなってるね、里奈ちゃん。」
「球団がウルサイからなぁ……。別に恋愛系の質問して何が悪いん?って感じやけど。」
「天草くんと柳くんは別格だからね。もし好きなタイプでも言って芸能人の女の子誰かと当てはまってたり何かしたら面倒クサイ事になるからじゃない?」
「かなぁ?アイドルじゃないのに。」
ちなみに柳君の好きなタイプはちょっと天然で真っ直ぐな子、らしい。
やっぱり野球選手達は自分が大きいからか、相手にも高身長を求める傾向にあるけど本気で好きになったらそんなのも関係ないんだろう。
前に二人でストレッチをしていた時に【俺はこういう性格だから、冷たいとか思われにくいけど天草より見切り速いからな】と笑って言ってた事が、なぜか忘れられない。
「…あ、そういえば里奈ちゃん。」
「んー?」
「今日、大体終わる時間一緒くらいだよね?私、明日は夜からバラエティーの撮影しか入ってないし、今日の夜ごはんでも行かない?」
「おっ、いいね!今までランチしか行った事ないもんね」
何気に、よく誘われる私は由佳ちゃんと二人でご飯をたべるのは今日を含めなかったら、もう片手くらいは経験してるだろう。
こんな綺麗な人の前で、顔が見えやすい昼間にランチってのはある意味公開処刑だな、と何度思ったことか。
「わたしも久しぶりにお酒飲みたいし、今日は麻布にしよ?」
「麻布って西麻布?」
「そうそう。ターナーっていうお店がオシャレで雰囲気良いし、オーナーの口も堅いからオススメなの。」
「へえ……。」
オーナーの口が堅いっていうのは、この人達アナウンサーの業界でも必要な項目なんだな。
素人のわたしには全く理解出来ないけれど、彼女の顔を立てるなら素直に従っておくべきだろう。
「楽しみだね。…とりあえず、今日の終わりの時間わかったらラインするね!その時にお店の地図も送っておく」
「ん、そうしてくれたら助かる。……じゃあお互い頑張ろうね。」
可愛いハイタッチをしてから私達は別の方向へ歩き出した。