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逆転満塁ホームラン!
第11章 麻布女子になれないワタシ
無意味に口を濯いでから、帰る言い訳を思いつきドアを開けた時──私の目の前には成金社長が居た。
「あっ、トイレですか?」
「ううん違うよー、結構飲んでたでしょ?里奈ちゃん。だから気持ち悪いのかな、と思って。これヘパリーゼなんだけど飲んだ事ある?」
「何度かは。」
「二ヶ月後に新しく出るヘパリーゼスペシャルって薬で、試供品として友達から貰ったんだ。かなり効くから、とりあえず今の内に飲んでたらどうかな?」
「いいんですか?」
……別にそこまで酔いが回ってるワケじゃないけれど、彼の優しさには素直に感謝の気持ちしかない。
通りかかったウエイターさんに、ぬるま湯を持ってくるよう指示した"成金さん"に頭を下げてから真っ白の錠剤を二粒、口の中に放り込んだ。