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逆転満塁ホームラン!
第11章 麻布女子になれないワタシ
「おい、お前ら」
「里奈が意識戻したからって助かったなんて思ってねえべな?土間、お前達二人も今からコイツの前で土下座しろよ。」
「そんなんっ……私何も知らなかったんです!」
必死に訴えかける彼女の顔を見て、乱れた私の服を見て【ああ、そういうことか】と納得がいってきた。
知らなかったハズはないし、それなら警察や店員さんに連絡くらいするだろう。
何故かは分からないけど、此処にナイン組が居て……ブチ切れしてるところを見る限り、彼女が共犯じゃないとは言い切れなかった。
苦笑いを浮かべる私の頭を軽く撫でてから、クルリと相手の方へ向き直した天草。
少し落ち着いたのか、さすが元ヤンといった冷静さで、おしぼりで己の拳に付いた血を拭きながらゆっくりと口を開けた。
「……土間」
「オレがホンマにお前を落とす為に、お前の事を好きやからって今日わざわざラインしてたと思うか?」
「………。」
「お前が何処で飲んでるんか、それを知るためにラインしてん。何も知らんお前は【里奈ちゃんと二人でターナーに居ますよ〜、都会だ〜って騒いでます。】って堪忍した様に、最後ウソとホンマを半分個した内容送ってきてくれたけどな。」
「……!」
思い出すのはトマパンと天草がラインしてた光景。
そういうことだったんだ、そう思うと私はどれだけの人達に心配をかけてしまったんだろう。
自分の行いが馬鹿過ぎて何だか哀れみさえ覚える。
「俺はな」
「野球しか知らんアホやねん。」
「女の口説き方も知らんし、ましてやそれが本気になった女相手なら余計な。……だからコイツにはお前が知ってる通り、呆気なく振られとる。」
「それでもオレはコイツがスキやねん。お前みたいなクソ女なんか眼中に端から無いわ。」