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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌

「事の発端はルームでの吉瀬ちゃんの話しだよ。トマパンは胡散臭い男絡みが多いので有名だし、ましてや場所は西麻布だって言うし、不安に思ってたわけ。」

話しだしたのは柳くん。

確かに彼は最後の最後まで私を心配してくれてたし、そんな集まりには行かなくて良いだろ、と目線で訴えかけていた。

「じゃあ案の定、ナイン組と青木で飲んでたら吉瀬ちゃんからラインが来て、男が居ると。」

「……。」


「でもそれ以降、返事が無かったから天草に事情を説明して、どうにか土間パンから現在地を聞く様に仕向けた。……じゃあ場所はターナーだ、って言うわけじゃん?」

「あの子からしたら、ターナーのオーナーからオレ達の話しを聞いてないし『ここでターナーって言っても私のイメージは下がらないでしょ』って位に思ってたんだろうけど俺達も伊達に色々遊んでねえわけよ。」


「ターナーで飲む連中の九割はお持ち帰りを狙ってるような奴達だし、あそこのオーナーは口が堅い事で知られてるから……人によっては犯罪スレスレの行為をする。」


「で、みるみる内に顔がキレ出した天草に事情聞いて『ターナーらしい』って言われたから、ひとまずオレ達が迎えに行くかって麻布に向かった。」


淡々と説明している彼の言う事に、他のメンバーと同じくしてウンウン頷く私。

私があの時に柳クンにラインをしていなかったら…どうなっていたんだろう?想像すら怖くて出来ない。

何だか、神様が居るのなら……『これも勉強だ、好奇心だけで色々なところに自分の味方が居ないにも関わらず顔を出すな』と教えられているのだろう。

いや、そうとしか取れない状況だったのにも関わらず私がこうやって平然とココアを飲めているのだから──本当に野球の神様ならぬ、女の神様が居るのかもしれない。

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