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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「蒼井さんは、下着だけがズラされた状態で上半身を露出して、色々触られてたんです。」
「……じゃあ柳さんが『お前達何してるか分かってんべな?』って第一声を発しました。」
「──そこからは、二人がアイコンタクトして机の上に有るグラスを投げて……とりあえず蒼井さんの側に居た男達三人を引きずり回したんです。」
「僕はその間に蒼井さんを離れた場所に寝かしました。でも、どんなに話しかけても……軽く頬を叩いても……反応が無くてっ……」
「それを見た"ダブルコンビ"が昔に戻ったかのように暴れ出したんです。もちろん、女の子には手を上げてませんけど男達三人は……まあ見るに耐えない姿になりました。」
「とりあえず警察が来たらヤバイからって事で、吉瀬ちゃんを隔離させるか二人を止めるかって話しなんですけど。僕も逢沢達も初めて二人がガチギレしてるところを見て…冷静な判断が出来なかった。」
「藤堂は天草を、逢沢は柳を。──まあ、当たり前にあの二人のガチギレ中ですから止めれなかったんですけど」
「もうこれ以上に成ったら流石に店舗も通報するだろうし、何より男達三人が死ぬかもしれない。そう思ってグループラインにメッセージを送りました。」
「……じゃあ吉瀬ちゃんっじゃない、蒼井さんが目を覚まして彼達二人を止めてくれたんです。」
ゆっくりと話される事の真実が私の耳に聞こえていた様々な音と一致してゆく。
確かにあの時……何かが割れる音をハッキリと聞いたし、人を殴る音も必死に止める声も全部聞いていた。
だけど……そんな状態になってたなんて。
目を覚ました時の血祭り状態で、おおよその発端を分かったフリしていたのが間違いだったのだろう。実際は私が想像するよりも遥かに壮絶な場面だったに違いない。
野球選手が全力で止めても…店員さんが止めても…それでも尚暴れ続けるコイツ達は、噂だけじゃなく…過去だけじゃなく、本当に『ヤンキー』だったんだ。
それもレジェンド級の。