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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「大丈夫か?」
チワワ先輩が、かなり心配した様子でそう聞いてくれた。
「私は大丈夫です。」
「……こんな事を聞いて申し訳ないとは思ってる。だけど、聞いておかなきゃダメなんだ。──同意の元では、ないんだろう?」
「おい、チワワ!おめえ何て事聞きやがるんだ「いいねん、柳くん。これは大人の話しとして絶対に必要な部分やから。」
仮に被害届を出して刑事案件になったとしても民事になったとしても、相手の弁護士には必ず『じゃあ貴方は快感を覚えなかったんですね?』と聞かれるのだ。
だからこそレイプに関しての犯罪は泣き寝入りが多いのだけど。
「私は…そこまで酔ってなかった。」
「でも酒のネタがアンタ達の話しになる度に『この人達はウィングスメンバーのホンマの姿も知らんのに、上辺しか知らんのに、何で全部知ったような口を利くんやろ?』と、そう思ってイライラしてきてん。」
「で、自分を落ち着かせるためにも……先に帰る言い訳を考えるためにもトイレに行った。」
「よし!と思ってトイレを出たら目の前に成金社長がおった。酔ってるんやろ?これ、友達から貰った3ヶ月後か何かに販売されるヘパリーゼスペシャルやからって貰った錠剤二つを何の疑いもなく飲んだ。」
「正直な話し、ここからの記憶は無いです。胸を舐められてたのも身体を露出してたのも、今ここで聞いて初めて分かった真実やし」
「状況を目覚めた時に見て『すごいな』とは思ってたけど、柳くんも天草もそこまでキレてるとは想像すらしてませんでした。」
飲みかけのココアを私の内海さんの間に置いて、ゆっくりと立ち上がった。
一切言葉を発していないけれど、内海さんだけじゃなくマルコや他のメンバー陣も居るし…何度か仕事を助けてもらった事が有る先輩スタッフさん達も居る。
──ゆっくりと深呼吸をしてから、私は彼達全員に向かって頭を下げた。もちろん、見せかけなんかじゃない。本心からの謝罪、だ。