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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「いくら事故だって言っても、そんなつもりじゃなかったって言っても、危機感無くあんな場所でお酒を飲んで知らない人から貰った薬を飲んでってする私がアホでした。」
「そんなアホな私のせいで……皆さんの大事なツートップの手を汚さす様な真似をして、本当にすみません。」
「このご時世、どこから話が回るかなんて分からへんのに……あの場に大事なウィングスの選手を五人も呼んでしまったのは、私の責任ですっ……!」
下を向くと、なぜか溢れてくる涙。
でも、これはあの場面が怖かったからじゃない。本当に彼達に申し訳ないことをしてしまった、と思っているからこそ溢れ出してくるのだ。
「止めろや…っ」
ぎゅっと目を瞑っていた私の事を抱きしめてくれるのは──この関西弁、ああ…天草に違いないな。
「お前は何も悪くないやんけ」
「悪いのは、そんな訳わからん事を企んだ男三人やし、それを見て止めずに楽しんでた女二人やわ。」
「そうだべ?しかも喧嘩に関して言うなら、俺達二人が勝手に歯止め効かなくなって暴れたようなモンだし吉瀬ちゃんは何も悪くねえじゃん?」
「そんな事無いよ……っ!」
「そんな事あんねん。俺達がお前は悪くないって言ったら、お前は悪くないねん。」
「あの場から去ろうと思ってトイレ行ったんやろ?ヤバイと思ったから柳にラインしたんやろ?」
「俺達の事を愛してくれてるから、あーんなクソみたいな奴達に俺らの話しされて腹立ったんやろ?」
「…お前は何も悪くないやんけ、むしろエライんちゃうん?だから、んな事で頭なんか下げんなや。」
身長差のある私達。
嫌でも私の涙は天草の胸板の少し上くらいを濡らしてしまう。ああ、ごめんね。こんな高そうな服なのに。
でも、そんな優しい言葉を掛けられて腕の中で微笑みを浮かべれるほど私は感受性が乏しい女では無い。