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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
東都ドームまで後少し、という所で信号に引っかかりまくる私達。
ポテトの最後の一本を無理矢理、口の中に突っ込まれると丁度、塩が多い部分だったみたいで喉が乾く。それを見て天草は大きく笑った。
「……もうっ、めっちゃ塩辛いわ。」
「ほら、お茶飲めや。」
また無理矢理ストローを突っ込まれたら今度こそ咳込んでしまうだろう。力ずくで烏龍茶を奪って、ちゃーんと自分のペースでストローを加える。
「……なあ、」
「ん?」
「お前の夢って何なん?」
「何よ、イキナリ。」
「気になるねん。」
「夢?……夢、かあ。」
どうやら東都ドームの前で工事が行われているらしい。普段なら二車両なのに、今日は一つしか車が通れる車両が無いから混み合っているのだと理解した。
綺麗な横顔を見つめてみる。
……性格に似合わず、運転は丁寧で上手だ。しかも腕の血管が浮き出ているから、ただハンドルを握っているだけなのに"男らしさ"を感じてしまう。
ダメだな、きっと重症。
ちょっと優しくされたからって、最近は天草の良い所ばっかりが目に付いてしまうんだもん。
「私の夢は、近過ぎるというか身近過ぎて夢じゃないかも」
「何やねん、身長170センチ超えのモデル体型になるとか?」
はあ、やっぱり前言撤回。
やっぱりコイツは究極に憎たらしい。
「……。」
「言えって、言いかけて言わんとか最悪やん。」
「馬鹿にせえへん?」
「ん。」