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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
スマホを取り出して電話帳にお気に入り登録されている総司の名前をタップすると、聞き慣れた呼出音が流れる。
事の説明をしなくても良い様にスピーカーにしてみた。きっとこっちの方が皆も理解するのが早いだろうしね。
「もしもし!!」
「……もしもし、じゃねえだろ?お前……何で直ぐに掛け直してこなかったんだよ?!」
ヤバイ、かなりのご立腹。
思わず本気で泣きそうになった。こんなにこの人が怒るのなんて久しぶりだ。
「……総司、待って」
「はあ?何を?」
「あれ、ラインニュースにリークしたのって総司やろ?土間パンがあそこに居たのをニュースにしたのも」
「……。」
いつも私の事を心配してくれて…
何か有ったら本当のお兄ちゃんのように、住友財閥の長男らしく色々な手で私の事を助けてくれた総司。
ウィングスの皆にも沢山助けられたけれど、それ以上にコイツは私を守ってきてくれてたし助けてもきてくれた。
ガヤガヤとしていた場が一気に静まり返ったのを見るとトイレか何処かにでも入ったのだろう。
「……お前はウィングスが大事かもしれない。ウィングスもお前が大事かもしれない。」
「だけどな大事と守るってのは違うんだよ。──守るってのは、その場に居た奴を顔面腫れるまで殴り倒す行為だけじゃねえんだよ。」
冷静に。
でも……何かを噛み潰してる様な、我慢してるのが丸わかりな話し方。
「俺が何も対策打たなかったらどうなってたと思う?」
「分からへん。」
「ちげえよ、里奈。お前分かってんだろ?」
「──土間が先にあの写真をリークして、まるでウィングスの"吉瀬ちゃん"が大乱交会に進んで参加したかの様なニュースが全国に配信されてた、んだよ。」
「……。」
「そんだけの事を天草と柳はしたんだよ。分かるか?アイツ達は確かにカナリの悪者だ。でも悪者にもプライドが有れば仕事も有る。そんなプライドを握り潰したも同然の事をして、アフターケア何て更々してなかったよな?」