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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「俺が先にリークしたのは里奈、お前が悪者にならない為だよ。愛されてるウィングスの"吉瀬ちゃん"で居続けてもらう為だよ!!」
「セカンドレイプの被害になるかもしれねえ、吉瀬ちゃんとして皆に同情されるかもしれねえ。」
「でも、お前がケツの軽い女だって認識を持たれる位なら、俺が死ぬまで守ってやるから同情される方がまだマシだとそう思った。──この二択しか選択肢が無いなら、尚更な。」
天草が、どこか悔しそうに唇を噛み締めている。
私も鈍感だと笑われ続けたけれど、今更彼の気持ちに知らないフリはしてられないし、流石に何故悔しそうな顔をしてるのか位は想像がつく。
「何か音響くし、どうせスピーカーだろ?」
「え?……ま、まあ。」
「じゃあ言っとく。天草、お前がコイツの事を"千里初"に言ってウィングスに入れたのも、球団スタッフとして働かせてるのも別に何も言わないわ。」
千里初──?
あのWWCの会長だよね?……まさか、そんなところまで話を持っていってたなんて。
聞き返す間も無く、総司はタンカを切る様に天草へ話し続けた。
「でもな、最後まで守りきれねえなら……守る方法すら思い付いてねえなら、簡単に自分の理性ぶっ千切ってんじゃねえよ。」
「殴る事が守るだあ?何も対処しないで里奈連れて部屋を出る事が守るだあ?ふざけんじゃねえぞ。」
「……お前があそこで柳と暴れたからアイツ達が暴走する可能性が出てきた。それは分かってんだろ?」
「……ん。」
「殴りたくなる気持ちも理解は出来る。──だけど、どうすれば里奈に被害が及ばないか、そこを1番に考えろや。それが出来ないなら、簡単に蒼井里奈っつー俺の大事なモンに手付けようとしてんなよ。」
ブチッと強引に電話を切られた私達。
プライドがかなり高いはずの天草だけど、どこか総司の言うことに納得でもしたのか珍しく何も言い返さずに、天井を見上げてた。