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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「……まさかのまさかで、総司かよ。」
「総司って柳くん、あんた総司の友達ちゃうやろ。」
「でも俺の友達みたいなもんだべ?だって蒼井里奈過保護隊のメンバーだし。」
やっぱり、という気持ちもそうだけど──まさかでしょ?という驚きも。
ここまで来たら総司が描いてる続きも容易に想像出来る。
同じ事を思ったのか、チワワ先輩が私の目を見てからニヤリと笑った。ああ、何とも不吉な笑みなんだろう。
「オレらがする事は一つだな。」
「チワワ、一つって何のこと?!オレ達は何をすればいいの?!」
藤堂くんが、盛大に"藤堂君らしさ"を発揮して内海さんが「考えたら分かるだろ!」と頭を叩く。
その一連が漫才みたいでクスッと笑うと、その笑顔を見た皆が安心してくれたのか少しだけ優しい顔つきに変化した。
「あの男の内の一人は確か住友東京銀行に勤めてたよな?蒼井」
「はい。そう言ってました。」
「って事はあの人のあの言い方だと……もう誰か目処は付いていて、今後蒼井に何かアクションを仕掛けたらクビにする、という風に話しを持って行ってるか──」
「既にクビにしてるかのどっちかだろうな。あんなに過保護な人が同じ会社に勤める奴に対して何もしないとは思えない。」
「となれば俺達がするべきなのは主犯格である"成金社長"の粗探しだよ。」
「粗探し?これだけで充分、あいつの社会的地位は無いやんけ」
「馬鹿か、天草。」
「たとえアイツが一線を退いたとしても経営に関われたら意味ないんだよ。今回、蒼井は被害届を出さないって言ってるし、それなら尚更アイツは『似た奴の仕業だ』ってシラこくか、代表降りても経営には携わるよ。」
「じゃあ──「WWCの力を忘れたか?税務署にも警察にもツテが有る。……こんな事を平気でするような奴なんぞな、叩いて見たらホコリしか出てこねえよ。」
気のせいだろうか?
多分……チワワ、どこか楽しんでるっていうかいつもより生き生きしてるよね。