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逆転満塁ホームラン!
第2章 甲子園球場の奇跡

普段からオッサンとからかわれている私の性格は、単純に表すなら喜怒哀楽が激しく単細胞そのもの、という所だろうか。

好きな飲み物はビールで、愛してやまないオツマミはイカの一夜干し。ましてやマヨネーズに死ぬ程、七味を掛けるんだから、おっさんに輪をかけてる。


見た目も、髪型で何とか見れる物になってるけれどモデル体重とはほど遠いし身長も155cmしかない。


そんな私がコイツに顔を見た事あるだあ、水商売していただあ言われるって──バカにしてんのか?


「あのっ、からかうの止めてもらっていいですか。あたし忙しいですし後ろも「おい、天草あ!」

野太い声で、三人後ろに突っ立っていた天草流を呼ぶと無理矢理自分の横に立たせる柳。

柳君の後ろに並んでいた二人は、一軍と二軍を行ったり来たりしているルーキーだ。

従うしかない、という様に天草流が前へ割り込んでも笑って頭を下げていた。


「お前さ……」

「よお、おっさん。」

アディダスのアンダーシャツを着た身長186cmの彼は……紛れもなく天草流。

有りえない、私の目の前に日本プロ野球界で今一番人気でノリに乗ってる二人が並んでるなんて。


「はっ、はい?」

だけど、それ以上に信じられないのは彼が私に声を掛けてきたことだ。


しかも……今なんて言った?


「今、なんておっしゃいました?」

「無理に敬語じゃなくて良いけど?どうせ普段は俺らの事呼び捨てで呼んではエッラそうに愚痴ってんやろ?」

どこか慣れている関西弁のイントネーション。

何故だろう?と思ってから納得、確か天草の高校はPLO学園だし、お母さんは関西人と言ってたなあ。

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