この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間
「…明日の広島戦は先発が松本やし、負けてやってな〜みたいな変な電話かと思ったわ。」
と意味の分からない、そして別に面白くもない返答をする天草が照れているのは明白。
彼にバレない様にコソッと笑ったつもりだったけど、それが聞こえたのか「何で笑うねん?!」何ていう子どもみたいな声も聞こえてきた。
「あたしは松本さん好きやけど、ウィングスのファンやから。明日の試合はウィングス応援するけど?」
「ふーん。信じてないけどな」
「信じてくれなくて結構。明日エラーでもしてみ?その写真撮ってインスタ挙げるからな。」
「じゃあ俺はお前が短い足で人のケツ蹴ろうとしてる間抜けな写真載せるわ。」
減らない口、とはこのことだろう。
二人して馬鹿言ってるこの時間に、同時に笑いが溢れた。……仲良し、なのは間違いないんだよね。
お互い素直じゃないから上手に自分の気持ちを言えないだけでさ。
「……まあ、楽しんでた所ごめんな」
「別に。」
「それとさ天草、最後に聞いてい?」
「ん?」
「何でそんなにキャバクラ行くん?」
これは本当に心の底から出た疑問だった。
私のことを好きだと言いながらも東京では六本木や銀座と様々な飲み屋に行くのは勿論、遠征先でもそのペースを崩さない天草。
勿論、ナイン組と飲むのが楽しいからっていうのも有るんだろうけど。何故にそんなにキャバクラやクラブが好きなんだろうって、ずっと思ってた。
同じく独身の青木くんや田中くんは、女の子大好きだけどこの人達ほど頻繁に飲み屋には行ってないしね。