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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間
ドンドンッという激しくドアをノックする音で目が覚めた。既にセット済みの目覚ましをチラリと見ると、秒針は午前二時を指している。
……丑三つ時ってやつじゃん。
だけど何度もこのホテルには宿泊しているけれど、こんな風に激しくノックされるのは初めてだった。
まあ確実に幽霊ではないだろう。
酔っ払いか誰かが部屋を間違えてるのかもしれないな〜何て軽く思いながらチェーンを外してドアを開けた。
「……えっ?」
「え?ちゃうわ、誰か確認もしやんと安安とドア開けてんちゃうぞ。」
いやいや、開けたドアの隙間から勝手に入ってきてるアンタが言う言葉じゃないでしょ。
真っ白のグッチのTシャツからは、ほのかに居酒屋独特の油の匂い。
そしてそれに混ざる様に女性用の香水の香り──ああ、なるほど。アフターか何かに行ってたのかな。
目が少しだけ据わってる天草を見るのは久しぶりだった。酒飲みの割に酔ってる所はそこまで見たことないし。
テーブルの上に、自分のスマホと財布とルームカードを乗せると勝手に冷蔵庫から備え付けのミネラルウォーターを取り出して、一気飲みをする彼。