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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間

「なあ」

「……何?」

背中を向けられてたことが気に食わなかったのか、後ろから抱きしめられると耳に彼の声が近付いて恥ずかしさで可笑しくなりそう。


「残り、10試合と少しやけど…」

「うん。」


お酒のせいか少し掠れてる声。

彼の香水が安心感をも与えてくれる。


「絶対にお前をリーグ優勝と日本一に連れてったるから。」

「それが俺に出来る"あんなことに巻き込まれてもウィングスの側に居るお前"に出来る、たった一つのことやと思う。」



「だから、それまでは待っててくれ。……絶対に、俺が……住友よりも柳よりも誰よりもお前のことを先に迎えに行くから。」

自分なりの決意表明ってやつなのかな?

力の込められた腕に嬉しさが溢れた。


返事は恥ずかしくて出来ないけど……胸の前に有るマメの出来た彼の手のひらを握ると意味を分かってくれたのか、小さく笑われる。

本当、不器用同士の恋愛ってのは思いの外難しいのかもしれないな。




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