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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間

──まさかだ。

時刻は午前11時半。

ギリギリに起床なんて云う高校生みたいな事をしでかしてしまった私達。原因は、私が布団を出ようとする度に抱きしめてきた天草なんだけど。

当の本人は全く悪気が無いのか、あっけらかんとしたまま部屋に有る歯ブラシで歯を磨いてはシャワーを浴びていた。

おまけに化粧が終わった私の顔を見て『眉毛が有るか無いかやんけ。』と爆笑し出すのだから一回くらい殴らないといけないかもしれない。


売店でサンドイッチを二つ買って急いでバスに乗り込むと、そこには待ちくたびれたであろうクセに何故か怒っていない選手陣と他二人のスタッフが居た。

「ごめんなさい!!」

「いいべ、いいべ。天草と二人で仲良く遅刻…なんてなあ?」

「何も無いよ、柳くん!コイツが酔っ払って私の部屋に突撃してきただけやから」

「はあ?お前俺がイキナリお前の寝込み襲ったみたいな「……似たようなもんやろ!手出してないけど人のベッドですやすや寝てたくせに!」

苦笑いを浮べる運転手さんに、マツダスタジアムまでお願いします。と分かりきった事を言ってその場の雰囲気を変えようとするけれど──。


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