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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間
野球選手と云えど男は男だ。
みんな何を勘違いしてるのかニヤニヤしたまま、話題を変えたくなさそうだった。
「おい、サンドイッチ。」
「これ一個238円な。後で請求しますから」
「なっ……おお、ええ度胸してるやんけ。この銭ゲバ!」
「はあ?銭ゲバってあんたなぁ!」
『すみませんが、着席とシートベルトの着用をお願いしまーす』
からかってそうにマイク越しの運転手さんが言うと修学旅行の様に皆が一斉に笑い出す。
恥ずかしくなって座った席は、柳くんの隣だった。
天草は通路挟んで反対の席に一人で座っている。昨日の甘ったるい時間がウソの様だけど、これこそが球団スタッフと選手の本来の関係なんだろう。
「吉瀬ちゃん、アイツ昨日本当に手出してないべ?」
「もうっ、出してないって!」
「へえ。意外だな」
「何が?ってか…もうその話しはホンマにいいから!マジック点灯までは広島と五分五分やねんから、勝つ事だけ考えて!ましてや今日先発やろ?!」
「ほぇー、相変わらず鬼の吉瀬、だな。はいはい、頑張りまーす。」