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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間



吉瀬ちゃんが、湿布と休憩の時に俺達が飲むアクエリアスを買いに走ったのを見計らってストレッチをしている天草の隣に座り込んだ。

さっきから本人は無意識だろうけど、向こう側で軽くキャッチボールをして肩を慣らしてる広島の松本を睨む様に見てるし……

コイツがこんなに嫉妬深いというか独占欲が強い男だってのは、正直今回で初めて知った事だった。


「うおっ、ビックリした。何も言わんといきなり隣に座り込むなや。」

「だってバッティング練習始まったらあんまり話せないべ?」

「話せないって……気色悪ッ、お前はオレの女か。」

確かに俺と天草は仲良しだけどグラウンドでは必要以上に会話はしない。

というかプライベートで一緒に遊んでいるからこそ、乙亥に野球の時間の時は、もっと別の人達とコミュニケーションを取るべきだと考えているんだと思う。

「こんな所、広報に取られてインスタにでも載せられたらまたワケ分からん小説で俺とお前の恋愛作られたり「………なあ。」


天草は自分をネタに夢小説とやらや、BL小説を書かれることを本気で嫌がっている。

俺はあんまり気にしないから『人気になったって証拠だなあ』くらいにしか思ってねえけど。


「お前、まだ告白してないん?」

「……っ…何やねん、ホンマ。」


図星だな、この反応。

昨日飲み屋で吉瀬ちゃんから電話が来た時のアイツの喜んでた顔といったら相当なモノだった。

俺達がスタメン定着した時から指名してる舞子にすら『天草くん、彼女か何か出来た?すごい幸せそうな顔で出てったけど』って気付かれるくらいだ。


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