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逆転満塁ホームラン!
第14章 リーグ優勝を掴め!

ローテーション的に、ウィングスの先発は22歳の高卒四年目ピッチャー赤星クン。

お化けスライダーが得意で岩瀬の再来、なんて言われていた。

防御率も結構良くて……柳くんがライバル視しながらも実の弟のように可愛がっているのはウィングスファンの中では常識でも有る。

ベンチの直ぐ裏は選手たちと会話も出来るし、もっと言うならコーチや監督の小さい話し声も聞こえるけれどテレビには映らない。

そんな特等席で私とチワワ先輩は選手たちの後ろ姿を目に焼き付ける。


「赤星、緊張すんなよ。」

「っ、はいっ!」


「お前らしくいけばええから。」


珍しいな。

子供の天草が先輩らしさを全開にして、完全に上がっている赤星くんの肩を優しく叩くものだから思わずチワワ先輩と目を合わせて笑顔を浮かべた。


そりゃ…そうだよな。

高卒でプロ野球界に入って二年目で一軍に定着したとは云え、まだ22歳だ。

こんな大事な日の先発は経験したことが無いし、ましてやそこで平常心を保てるほどの根性も少し足りないといった所だろう。

先輩ピッチャーである内海さんの熱い言葉に、何度も力強く頷いた赤星くんはグローブを持ってマウンドへ駆けて行った─。


ああ、ついに始まるんだ。

ウィングスのリーグ優勝を掛けた大事な戦いが。

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