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逆転満塁ホームラン!
第18章 夢の高級ホテル
そして頭上で聞こえてくる、鼻をすする音。天草が案外泣き虫だったっていう事実を今なら知ってるから、別にこの場面で泣いていても何ら不思議ではなかった。
「ホンマに…ホンマに覚悟出来てるか?」
「あんたの嫁になる覚悟?」
「それもそうやけど」
「俺、メジャーに行きたい。」
「球団からは許可貰ってる。FA貰ったら挑戦してもええって。」
「メジャーには俺よりも長打が得意な選手なんか死ぬほど居る。守備が神ってる選手もな。」
「そんな中で、いくら5年連続トリプルスリーを獲得してるって言っても……日本人の俺が向こうで挑戦仕掛けていくってのは柳よりも成功する可能性が低いねん。」
「……だけど、やっぱり男やから。一回きりの人生、どんな事が有ってもバッターとして華咲かせたいしそれだけじゃなくて守備でも天下取りたい。」
「そんな夢ばっかり追いかけてる様な俺やけど……ホンマに覚悟は出来てんやんな?」
「はあ。何回言わせるん?そんなん出来てるに決まってるやろ。」