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逆転満塁ホームラン!
第3章 不吉な予感
総司が自分の家族の事を話したのは、一緒に飲みだす様になって三回目の時だった。
馴染みの小汚い居酒屋さんではなく、個室でお高めのフグ料理を食べにいった時のことだ。
『普段は、そういう立場で環境元の俺やから奢るのが当たり前やったし、こういうところでご飯を食べるのが当たり前やった。でも、しんどかった』
と珍しく弱音を吐いた彼に対して私が言った言葉は一つ。
『そんなん関係ないやろ、アンタが"俺は俺や、苗字が何のもんやねん。"っていうペースに相手を巻き込めずに、流されるがままやから、やん?』
『嫌なら行かなかったら良いし、言わなかったら良い。中途半端に甘えるから、女も付け上がるんやで。アンタが強くならんと、何も始まらん。』
『自分が変わらな、相手は変わらん。』
という、十歳近く離れてる年下の女の子から言われるにはキツ過ぎる言葉だった。
でも、そこからだなあ。
総司の態度が、前に増して愛や優しさに溢れるものになったのは。