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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に
そう言ってから、吉瀬ちゃんのスマホをチラリと見るとショートメールが三件入っている。
【ヤマト:お久しぶりです。また留守ですか?】
【ヤマト:どうします?】
【ヤマト:明日の昼に再度伺います。お体は充分に気を付けてくださいね。】
「………。」
俺の目が動いていたのか、無駄に洞察力の鋭い天草は勢いよくスマホを机に反対に置き直した。
ヤマト──か。誰だろう?
阪神から横浜に移籍した、あのヤマトか?いや、でもアイツは確か結婚してたハズだし第一、吉瀬ちゃんは広島と横浜の選手に関わりは有っても、阪神は無いはずだ。
ただでさえ住友総司って云う強烈な幼馴染に嫉妬心メラメラのコイツに、ヤマトなんて云ういかにも親しそうな男からのショートメール攻撃となればベンチ位は蹴り上げても仕方ねえのかな。
苦笑いを浮かべて『お前も大変だな』という意味を込めながら肩を叩いてやると、我に返ったかの様に急にロッカーからイヤホンを取り出して荒野行動をし初めた天草。
コイツの場合は、ゲームしてても歌聞いてても、試合本番になると打ってくれるし守備でも滅多にエラーしないから別にいいけどな。
というか、今回のこの場合はそれ位しないと又キレてしまうって自分で分かってるんだろう。
──きっと、荒野行動で無意味に爆弾を爆発させたりしてストレス発散させてんだろうな。
それこそ、大人に見えて実は餓鬼の天草の遣りかねないことだ。