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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に
「お前、こんな大事な時期に男を家に呼んどるんけ?」
「………はい?」
突然、投げかけられた質問は到底見に覚えのない質問。
男を……家に呼ぶ?
いやいや、総司すらも家に呼んだ事が無いのに他に誰を呼ぶと言うんだろう?自分の父親か?……まあ、私の両親は根っからの東京嫌いだからそれは無いけど。
「だから、仲良い男を家に誘ってんちゃうんけ?」
「何の事か全くわからんねんけど?」
「まだシラ切るんか?」
「シラ切るも何も、ホンマに見に覚えないから分からんって言ってるだけやん?」
「第一、総司ですら家に呼んだ事ないねんで?それやのに他の男を呼ぶと思うか?!」
キッと言い返してから、漫画の様に口を塞いだ。
私も馬鹿ではないから、天草が総司に対してライバル心は抱いてるのは知っている。それを示すかの様に、現に今も総司の名前を出した途端に分かりやすい位に顔を歪めるんだもん。
「なっ、総司総司って……お前はアイツの何やねん?!」
「親友やけど?!」
急に立ち上がられると身長差から、どうしても見下される形になって必死に言い返す姿さえも傍から見れば『滑稽』そのものだろう。
トサカとハトが喧嘩してるようなもんだろうな。
オマケに両方関西弁で、気が強いと重なってるんだから……ほら、柳くんなんて本気で鬱陶しそうな顔をしてるし。
逢沢君と藤堂君は天草が暴れるところを見ているからか、どこか怯えた表情をして私達を見守っている。