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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に
「その親友って奴よりも大事な奴を家に入れとるんやろって聞いてんねん!」
「だから入れてないし、何の事か分からんって「……おお、上等やんけ。じゃあ言うたるわ。」
「ヤマトって誰やねん?」
「………ヤマト?」
漢字は何?……大和、かな?
大和なら阪神に居た選手だ。とても良い選手で、個人的にはスキだったけれど横浜に行ってしまった。
勿論、何度か試合や裏で見た事はあるけど関わりなんて一切無いからコイツの指しているヤマトは別のヤマトだろう。
「スマホ見てみろや。忘れて乾燥機回しに行った時に、ピコピコ鳴ってたわ。」
吐き捨てる様にそんな事を言われて、机の上にあるスマホを急いで手に取った。
ていうか──今の今までスマホを忘れていた事にすら気付いてなかったから誰とも連絡は取ってなかったんだけど。
そう思いながら、パスコードを入力すると新着のショートメールが三件届いているのが分かる。
「……。」
確かに送信者は【ヤマト】になっている。
時間は、つい数分前。
私のスマホは新着のお知らせやメッセージが来てから5分以内はパスコードを入力しなくても内容がチェック出来る様に設定しているから、きっと天草は、この内容を"見た"というよりも"見えた"のだろう。
「な?これでお前がどんだけ普通の顔して俺にウソ付き回したか……よお分かったやろ?」
「お前のウソなんぞ直ぐに分かるわ。」
「っていうか第一な、俺と他の選手がお前の夢の為に必死にリーグ優勝掴みにいこうとしてる時にお前は悠々と男家に呼んで遊んでるってどんな神経してんねん?」
「また留守ですか?ってのは、何回も家に入れてるってことやし」
「明日伺うとか書いてるやんけ。」
「ホンマにお前、ええ度胸してんでな。……って、人が話してんのに返信するなや、コラ!!」
私がスマホを触って返信メッセージを打っていたのが相当頭にキタんだろう。ついに天草がキレた。
いとも簡単にスマホを取り上げられる。