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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に


「ちょ、返してよ!!」

「ああ?!」


"まあまあ"と複数人の選手が私達の間に入った。まるで当てられたバッターと当てたピッチャーの乱闘を止めるシーンのよう。

ていうか、コイツってレッドボールにはそこまで怒らないのに私にはここまで怒るんだから"スキ"にも度合いってモンがあるだろう。

好きで居てくれるのは嬉しいけれど、たまに本気でうざくなるんだよね。


「あんたの勘違いやって言ってるやろ?!」

「何が勘違いやねん?!現に、お前はメッセージ確認して直ぐに俺が話してるってのに返事返そうとしてたんちゃうんけ?!そのヤマトって奴にな!!」


「天草さんっ、とりあえず落ち着いて下さいよ」


「アホか、俺は落ち着いとるわ!!」



「……このクソガキ!!」

「──ぁあ?」

子供の様に怒る天草を見てると、つい本音がぽろりと出てしまう。でも時、既に遅し。

思いっきりデカイ声だったし、目の前のコイツに聞こえないはずがない。


さっきまで黙って事の様子を見守っていた他のスタッフさん達や選手の皆の顔が『やっちまったなあ』なんて一昔前のギャグを思い出してしまう様な、焦った顔になった。


「言うてええんやな?!」

「何をやねん?」


「これが誰か、や!」

「……言えるもんなら言ってみろや、お前がチャラい女やって周りにバレるだけやけ「ヤマト宅急便やわ!!」


「………。」




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