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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に
「…ッ、ヤマト宅急便だあ?!んなウソ通用するとおもってんのか?!」
キレたいけど、信じたい。
なんかよく分からないけれど、そんな男心が天草からムンムンに伝わってくる。
「ホンマやしな?」
「そんなに気になるなら、ヤマトに電話して聞いてみたら?スライングタワー担当の人の電話番号はコレで合ってますかって」
「第一、この仕事して不規則で居留守がちな生活が当たり前になったんやから。そんなん何を買うにしてもネットショッピングが普通になってきてるし…」
「その都度顔合わせて、向こうも"僕がスライングタワー担当なんで"って感じで話してきたら番号登録してショートメールで簡単・簡潔にやり取りするのは普通やと思うけど?」
「あんたも知ってるやろ。左手の薬指にゴールドの結婚指輪付けた56歳のおじさん。女の子が二人居る、サカエさん。」
「───っ!」
誰の事かハッキリと思い出したのだろう。
口を開けて、顔を真っ赤にしている天草に思いっきりアッカンベーってしてやった。
ふん、何でもかんでも疑いから掛かるからこうなんのよ。スキならドンっと構えとけっつーの。
自分は相手に懐の大きさを求めるくせに、この人の懐なんて猫の額程度しかないじゃん。
自分のスマホを取り上げて、徹底的に天草に恥をかかせる事にした私は、敢えてそれ以上は何も言わずに部屋を出た。