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逆転満塁ホームラン!
第19章 独占欲は突然に
☆
いつもよりかなりヒートアップしていた二人の喧嘩。
一瞬どうなることかと思った。慣れてた柳でさえ、俺に目線を送ってきてたんだから止めるかどうか迷ってたんだろう。
だけど、若手に任せて様子を見守ると──。
吉瀬ちゃんの口から出たのは『ヤマトはヤマト宅急便のコト』だと云う衝撃の事実。
とことん格好付けのアイツは、吉瀬ちゃんが部屋を出るまではシラを切ってたけれど……
彼女が部屋を出た瞬間に、直ぐにイヤホンを付けて再度ゲームをしだしたんだから、よっぽと恥ずかしかったっていうか……外部との接触を拒否したい気分だったんだろう。
それにしても……
思わずオレがニヤッとした笑みを浮べると、それをみていた柳がアクエリアス片手に話しかけてきた。
「俺達が止めるかどうか迷ってたのバカみたいっすね」
「マジでそれだよな。ヤマトって登録する吉瀬ちゃんも吉瀬ちゃんだけど……何かおもしれーよな」
「天草が馬鹿なんすよ。何でもかんでも自分のライバルだと思いこんで他の選択肢を無くすから。だから余計にイライラして、吉瀬ちゃんにあんな大っ恥かかされることになるんじゃねえっすか?」