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逆転満塁ホームラン!
第21章 俺の自慢の嫁
──柳君は彼女とデート、藤堂君はスポーツ誌の撮影で、チワワ先輩は絶対に流の肩を持つから論外。
そんな数少ない選択肢の中で消去法で残ったのは…やっぱり何かあった時には必ず側に居てくれた大事なお兄ちゃん。
「はあ、お前なあ?俺も仕事いそがしいねんぞ?」
「何がよっ、出世して今は判子押すだけのくせに」
バリバリ、ノルマに追われていた時の総司は今ではやっぱり住友財閥長男だけあってグングン出世している。
この人の実力がすごかった、というのもありそうだけどそれだけじゃないだろう。
現にお昼前のこんな時間に私の為に仕事を放置して、一緒に珈琲を飲めるだけの時間を悠々と確保出来てるのだから。
「なっ、それだけじゃねえわ!」
ズルズル、と無くなりかけのアイスコーヒーを啜ってから隣を通りかかったお姉さんに同じ物をもうひとつ注文した住友総司という私の大親友は、二年経っても変わらずにこの人のまま。
相変わらず彼女も居ないし、この人こそ結婚出来るんだろうか?凄すぎて選り好みが激しいんだろうな、と予測するけど。
「……で?タンカ切って出てきたは良いけど、どうすんだよ?電話もかなり来てんじゃねえの?アイツのことだし」
「知らん。ウザいから電源切ってるもん。」
「でもアイツも懲りないというか何というか…。結婚して二年経つのにお前の事大好きだよな?」
「はあ?今、このタイミングでそんな話しする?」
「このタイミングだからだろ。」
「毎日五分であれ何分であれ電話してきて、良いなと思う服とかカバンが有ったら買ってきて、お前が生理でしんどそうにしてれば勝手に弁当買ってきてくれて…」
「全部、お前のこと好きじゃないと出来ない事じゃん。」
「……。」