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逆転満塁ホームラン!
第21章 俺の自慢の嫁
「お前は何も間違ってないよ。でもアイツはお前の事を大事にしてるよ。」
「嘘だと思うなら電源付けてみ?スマホの。きっとストーカー案件になっても可笑しくねえくらいのラインと不在着信入ってるぜ。」
「ええ、でも帰りたくないねんもん〜」
駄々っ子の様に頬をふくらませると、わざとらしくため息をついた彼がキーケースから一つの鍵を取って私に渡してきた。
「今日だけ、な。流石に人妻のお前を一人暮らしの俺の家には泊まらせられないから。」
「え、じゃあ何これ?」
「実家の鍵。今、オトンは仕事だしオカンは買い物行ってるかもで空いてない可能性もあるから一応渡しておく。家族には俺が今直ぐ電話して伝えておくし、とりあえずリビングで犬と遊んどけ」
「総司は?」
「……ったく、お前は本当いつまで経っても子供だな。…俺も今日は18時には家帰れるようにするし、実家で飯食って泊まってくよ。」
「うそ?!じゃああたしと総司は隣の部屋やん?!」
「何だあ?俺に人妻襲う趣味でも有ると思って喜んでんのか?それなら大概お門違いだ「そんな事言うてない!」
ほぼ私用の客間と総司の部屋は隣同士。
だからいつも泊まりに行った時は総司の部屋で夜中まで飲んで、潰れた私を抱っこして部屋まで送ってくれるっていうパターンだったんだよね。
ああ、懐かしいなあ。
そんな私と総司を笑顔で見てくれていたパパとママは本当、どれだけ出来た人間なんだろう。
……早く子供でも見せれたらまた何か変わってたかもしれない。私と天草の関係も、孫が見たいと常々言ってる総司パパ達の感情や喜びの一つでも、ね。