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逆転満塁ホームラン!
第21章 俺の自慢の嫁
『それが全てですよ。大丈夫です、天草さん。きっと奥さんは天草さんに付いて来てくれますよ。』
何かを悟った様に安藤さんが、そんな言葉を言って直ぐ……流は会見一番の笑顔を見せフラッシュが沢山焚かれたと同時にタイミングを見計らっていた他のスタッフやチワワ先輩に引きずられる様にして裏へ行ったのを見たのが三時間前だった。
坂下さんの【いやあ、ありゃあ可愛いわな。天草くんが結婚しても女性人気のツートップを柳君と飾り続けてる意味がよく分かったよ。】という言葉には恥ずかしさが有りつつも、納得さえした。
確かにバカでアホで、ましてやあんな場所で誘導尋問みたいな事をされてると気付かずに愛の告白を無邪気にしてしまった天草流はどうしようもない男だ。
だけど憎めないし、恨めない。
そんな行動すら『可愛い』と言わしめてしまう、天性の人たらしってヤツなんだと思う。
総司ママに催促されて電源を付けたスマホには数え切れないくらいの不在着信。一番最新の物は天草ではなくチワワ先輩だった。
きっと【迎えにこい】って内容だろう。
ササッと用意をして、ニヤニヤが止まらない総司ママにウィングス東都ドームまで車で送ってもらう。
興奮が止まない彼女は、まるで少女漫画を見たあとの女子中学生のようだった。