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逆転満塁ホームラン!
第3章 不吉な予感

「……おっ、やっと到着か。蒼井里奈」

「ははっ、おめえマジで呼んだべ?」


机の上にはアルマンドゴールドが五本、ピンクが五本。そしてお飾りの様にドンペリゴールドが三本置いてある。

全部、空なんだろう。逆さにして立てられていた。

フルーツなんてほぼ手が付けられていないし、ビール瓶が数本転がってるわ、チューハイの空缶がタワーの様に置かれてあるわ、挙句の果てに………

「すみません、潰れちゃいましたか」

「まあなあ。……でもいいべ、ここ置いといても。とりあえず本人は楽しんで疲れて寝たって感じだし」


女の子二人がドレスを乱れさせたまま、ソファーで爆睡している。

髪の毛もドレスも、情事の後そのものだ。


──そして、その机を挟んで倒されベッドの様な形になった左右ソファーの真ん中に居るのは……。


「あっ……天草流…に……柳恭平よね?」


そう、私の愛する阪神タイガースに宣言通り1-9という大敗を突き付けた球団のツートップだった。

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