この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第3章 不吉な予感
「で、三回目は住友の御曹司と来てた時。お前が安藤のクソジジイの愛人に成るか成らんか悩んでた、あの日。」
「……。」
「小堺は今でも俺の後輩やから。俺が聞けば、お前が甲子園の球場スタッフに成るかもしらんってのも、御曹司が多分その方向で手回すってのも、全部教えてくれるねん」
「えっ、そんなん……今日、ケータリングを開ける様に言ったのも私が居るって分かってたからって事ですか?」
「はあ?んなワケあるかボケ。」
「普通に飯食いたかったからじゃ。」
呆気なく否定されてるけど……いやいや、それでも私のことをここに呼んだのはアンタやろ、と言いたかった。
というか、それは言うべきだろう。
「ちょっと待って、それは違うで良いけど。私をここに呼んだのはあなたやろ?それは何でなんですか?」
「あたしが……っ、ぁああ!」
……そうだ、思い出した。
総司と飲んだあの日、話してた内容は青山先生の話や安藤先生の話ばっかじゃない。私は確かあの時……。
「思い出したか?」
「まあ、散々と奥で飯食ってる俺達四人の悪口言うてくれてたやろ。」
ニヤリと笑う天草は顔が綺麗過ぎて、もはや恐怖しか感じない。
存在感は無いけれど細くて高い鼻に、ハイドの様な奥行きの深い二重の瞳。そして品の良い薄い唇。
極めつけは柳君とは正反対に真っ黒の髪に、健康的だけどどちらかと言えば色白な肌。
正統派の王子様の様な、そんな顔をしてる。
関西弁で言うならスマートとかシュッとしてる、なんて云う言葉がお似合いだろう。